セッションでのタッチのイメージのお話です。
Cはクライアント、Pはプラクティショナーを表しています。
この図を見ると、なんとなくイメージがわくでしょうか。
自分の理想は、(5)のような触れ方です。
(1)(2)は目線に上下があります。
実際には、この中間の斜め方向にもさまざまなバリエーションがあります。
(1)は、プラクティショナーが上位、クライアントが下位にあります。
医者と患者の関係によく見られます。治す人と治される人です。親と子、先生と生徒の関係でも見られます。
タッチでいえば、クライアントは黙って施術者のすることを一方的に受け入れるやり方です。
(2)は、クライアントが上位にあります。
昔、三波春夫さんが「お客様は神様です」と言った頃から広く認知されるようになったと思います。世の中には、客は何をしても許されるという行き過ぎた考えもあるようです。
マッサージなどでは施術者の意図を無視して、客の方から揉んでほしいところを指示する人は、このカテゴリーのセッションに入ることを意図しています。
(3)(4)(5)は、同じ目線になっていますが、境界線の持ち方に違いがあります。
(3)は、クライアントとプラクティショナーの境界線が融合しています。
プラクティショナーがクライアントと一体化し始めています。
どちらかが最初はこの関係を求めていても、次第に不自由さを感じ始めます。
愛着理論でいう心配型(両価型)の方は、この融合を好む傾向があります。
(4)は、クライアントとプラクティショナーの境界線がはっきり分離して距離があります。
あなたはあなた、私は私という関係で、精神分析をするカウンセラーとクライアントに見られます。
愛着理論でいう回避型の方はこの傾向があります。
(5)は互いの境界が触れ合っていますが、混じり合ってはいません。
共感しながらも、互いを尊重する関係です。
(5)のような触れ方が自分の中の理想です。
相手の身体の声をよく聴き続けると同時に、自分はニュートラルにつながり続けるタッチです。
相手を侵害することもなく、自分を明け渡すことのないタッチ。
日常生活でもこんな関係を持てる人とは、長く付き合うことができるように思います。