Lauri Nummenmaa(フィンランド、Aalt University)
今回もこの図の右上「Neutral ニュートラル」のお話です。
セッションにいらっしゃる方は、この「ニュートラル」以外の状態を抱えていらっしゃいます。
中には怒りに満ちた状態だったり、ひどく落ち込んでいたり、悲しみから抜け出せなくなっていたり、でもそれは、特別なことではなく、生活していればいたって普通の状態です。
ニュートラルを常日頃から保っていらっしゃる方はまれだと思います。
クラニオセイクラルのタッチは、何もしないnon-doingのタッチが特徴となっています。
プラクティショナーの役割は、身体の悪いところを見つけてそこを治すという考えもありますが、クラニオセイクラルでは基本的にプラクティショナーはニュートラルに入りながら何もしないのです。
ただ、このニュートラルの状態を保ってnon-doingのタッチを続けていると、セッションはどのように展開していくでしょうか。
プラクティショナーが安定していると、クライアントの身体も共鳴してニュートラルに入っていきます。
あまりにも心身に負担がかかっていると時間がかかることがありますが、それでもニュートラルに入っていくことができます。
ニュートラルに入ると自然に自由が生まれ、そこからどこへでも行ける選択肢が生まれてきます。
そして、身体は広がったり、抱えていた熱を出したり、不随意の動きを見せたりしながら、健康に向かって最善の選択をします。
分離していた感情、思考も全体の中で受け入れていくことができます。
プラクティショナーがクライアントに介入するのではなく、クライアントが自然に健康に向かって行く力を見守るクラニオセイクラルの優しさに触れてもらいたいと思っています。